NASのデータ移行はバックアップを使うとあっという間だった
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先般、NASのリプレイスを実施しました。NASを丸ごと入れ替える場合に大変な作業がデータの移行です。弊社のNASのデータ量は1TBにも満たないほどなのですが、それでもそれなりの時間を確保しなければならないと考えていました。
実際にそれなりの時間を確保して挑んだのですがデータ移行が完了できず、ふとバックアップを利用すればいけるんじゃないか?と思いつき、試したらいとも簡単にNASのリプレイスが完了したのでした。
そもそもNASのリプレイスを行ったきっかけは、7月中旬頃、毎日NASからメールで届くレポートで2台のHDDのうち1台にエラーが出始めたことです。前回もエラーが発生してからひと月くらいでそのHDDが故障、RAIDの構成から外されて書き込みができなくなり、間もなくして2台目のHDDも故障しましたので、これはHDD交換のサインだと判断したわけです。
前回はNASの本体はそのままでHDDのみの交換でしたので、RAIDの構成に加えるだけであとは勝手にデータを書き込んでくれましたが、今回はHDDを交換してから7年も経過しており(一般的にNASのHDDの寿命は3年から5年程度)、NAS本体は12年も前のものなので対応するHDDの情報もなく、さらに容量も1TBで不足気味(一度オーバーしたことがあった)なので、2TBのNASに換装することにしたのです。
NAS本体もHDDも入れ替えるとなると、何らかの方法でデータを移行しなければなりません。それも、業務時間外に行う必要がありますので、7月末の土日にトライしました。
まず考えたのは、単純にネットワーク経由で旧NASから新NASにデータをコピーすることです。しかし、試しにやってみると思いのほか時間がかかりそうで、さらに通信エラーで止まってしまうことも。そこで、7日間の履歴管理バックアップの保存先としていた外付けHDDを新NASに直接繋いで、このバックアップデータからコピーすることにしました。それでもかなり時間がかかりそうなので、PCがスリープしないように設定して土曜は一旦退社、日曜の朝会社に来てみると思ったほど進んでおらず、おまけに一つのフォルダはエラーで止まってました。これでは月曜の朝までに完了できないので、一旦中断して作戦を練り直すことに。
盆連休に新NASとバックアップが保存されたHDDを持ち帰って自宅でチマチマ作業しようかとか、そもそもmacのファインダーやPCのエクスプローラ経由でファイルをコピーすること自体が遅い原因だと思い出し、コマンドを使ってコピーすることも試しましたが、劇的に速くなるとは感じられませんでした。
そんな時、ふと思いついたのが、旧NASから新NASにバックアップすればよいのではないかということです。
使用しているNASのバックアップ方法には、通常バックアップ、上書きバックアップ(増分バックアップ)、上書きバックアップ(差分バックアップ)、そして普段使っている履歴管理バックアップがあります。この内、通常バックアップと履歴管理バックアップは日付のフォルダが生成されますのでそのままでは使えませんし、増分バックアップは削除したファイルが残りますが(1回のバックアップなら問題ないですが)、差分バックアップを利用すれば、旧NASのデータと同じ状態を新NASにコピーすることができる筈。
早速、新NASに旧NASと同じ共有フォルダを作成し、新NASの共有フォルダをバックアップ先としてそれぞれの共有フォルダの差分バックアップを設定して試してみると、RAID1のミラーリング書き込みでも10時間もかからずに全ての共有フォルダの初回バックアップが完了し、全てのデータがそのままの構成で新NASにコピーできました。
最終的に盆連休明けまで毎日差分バックアップを行い、連休明けに旧NASのIPアドレスを新NASに引き継ぎ、UPSとの接続設定や新たな履歴管理バックアップの設定等をおこなってNASのリプレイスが完了しました。
なお、この方法は新旧NASが同じBUFFALO製品なので出来たのかもしれません。TeraStationとLinkStationの違いはありますが。でもメーカが違っても新NASをバックアップ先に設定することさえ出来れば何とかなるのではないかと思われます。
ちなみに、案の定エラーが発生していたHDDはリプレイスの2日前、エラーが発生してからちょうどひと月後に故障したのでした。