PublishPress Future」は WordPress の記事に有効期限を設定して自動で非公開にしたり、カテゴリーを変更したりすることができるプラグインで、いくつかのサイトで利用しています。

元は「Post Expirator」という名前のプラグインでしたが、2021年12月に ver 2.7.0 へのアップデートに合わせて開発者が変更となり、名前も「PublishPress Future」に変更されました。

その後も何度かアップデートを重ね、2023年6月に ver 3.0.0 となったのですが、この時にいくつかの問題が発生しました。

ちなみに、私は WordPress 本体やプラグインをアップデートする際は、まずローカルサーバのテストサイトでアップデートしてみて、動作等問題がないかを確認してから運用中のサイトにアップデートを行なっています。なので、自動更新の設定は有効にしていません。

私がテストサイトで確認した問題は以下の4つです。

  1. 初期設定で設定しているデフォルトの日時が、新規の記事に反映されない。
  2. 初期設定で期限切れ時の処理をカテゴリーを置換する設定をしてる場合に、グーテンベルグスタイルのボックス表示でデフォルトの置換後のカテゴリーが新規の記事に反映されない。
  3. カスタム投稿タイプや固定ページでカスタム分類(タクソノミー)がない場合に、下書き等のアクションでも「この機能を使用するには、この投稿タイプに階層構造のタクソノミーを割り当てる必要があります。」と表示される。(通常の投稿は必ず“未分類”カテゴリーが存在するので表示されません。)
    問題のスクリーンショット
  4. いくつかの英語表記が変更されたが、日本語化ファイルが旧バージョンのままなので英語で表示される。

1. と 2. のデフォルトの日時やカテゴリーが新規の記事に反映されない問題は、プラグインのサポートフォーラムにも上がっていて、ver 3.0.3 で修正されました。

一方、3. の下書き等のアクションでもタクソノミーに関するメッセージが表示される件は、サポートフォーラムにも上がってなく修正される気配がありません。私としてはクライアント案件でこのメッセージが表示されるのは不適切なので、初めてサポートに投げてみることにしました。当然、英語でポストする必要があるので、Google 翻訳と DeepL に助けてもらいながら、伝わるだろうかとドキドキしながらのポストです。
Always displays a message about taxonomies. | WordPress.org

サポートとやりとりしている途中で、この現象はクラシックエディタスタイルのボックスを表示している場合、あるいはクラシックエディタを使用している場合に発生することがわかりました。グーテンベルグスタイルのボックスでは発生しないので、私がサポートに投稿するまでわからなかったのですね。

何度かやりとりして GitHub リポジトリに問題が登録され、ver 3.0.0 がリリースされてからおよそ40日後、ver 3.0.5 で修正されました。

4. の日本語化については、これも当面新たな日本語化ファイルが配布される気配がないので、既存の日本語化ファイルを編集することで対応しました。

wp-content/languages/plugins ディレクトリにある post-expirator-ja.po ファイルをテキストエディタで開いて、以下を追記します。

#: 翻訳追加
msgid "Enable Future Action"
msgstr "投稿の有効期限を設定する"

msgid "Action"
msgstr "期限切れ時の処理"

msgid "Change status to %s"
msgstr "%s"

msgid "Keep all current terms and add new terms"
msgstr "カテゴリーを追加"

msgid "Remove all current terms and add new terms"
msgstr "カテゴリーを置換"

msgid "Remove selected terms"
msgstr "カテゴリーを削除"

msgid "Terms"
msgstr "ターム"

これを Peodit というアプリで開いてそのまま保存すると、同ディレクトリに新たな post-expirator-ja.mo ファイルが生成されます。

全ての文章を翻訳していませんが、少なくとも ver 2.9.x までと同じ日本語表示となるようにしました。